
抜け毛が増えてくると不安になってしまいますよね。そんな悩みを抱いて医者への相談を検討する人もいるかと思われますが、ただ、その際には保険が使えるのか気になってしまうところ。自費となると負担がかなり増してしまう可能性があり、「気軽に病院へ」という気持ちにもなりにくいものです。
実際のところ、保険適用で医者にかかることはできるのでしょうか。
抜け毛の原因によって左右される
保険を使えるかどうかは、抜け毛の原因によって違ってきます。適用されるケースもあれば、されないケースもあり、症状からいずれに当て嵌まるのかを判断しなければいけません。これは、自分でもある程度の見極めをするが可能です。
保険適用がされるケース

はじめに、保険が使えるパターンから見ていくと、皮膚疾患や免疫疾患が原因になっている場合が該当します。例えば、脂漏性脱毛症や粃糠性脱毛症、他にも円形脱毛症などが挙げられますが、これらの症状が認められた場合は保険適用がされます。
保険は基本的に病気やケガに対して適用されるものであり、こうした症状はれっきとした病気に認定されていますので、問題なく適用されることが殆どです。ただ、厳密に言えば、抜け毛の治療に保険が使えるというわけではありません。
あくまでも皮膚疾患の治療に対する保険適用であって、主たる目的は頭皮の症状を治すことにあります。つまり抜け毛の治療は間接的なものにしか過ぎません。
保険適用がされないケース
一方、保険が使えないパターンとしては、生活習慣の悪さやAGAによる脱毛症などが挙げられます。まず、生活習慣による抜け毛の増加に関してですが、これは病気でも何でもなく、ただの生活の乱れであり、単なる自己責任として扱われます。
税金でまかなう保険を、自己責任による薄毛トラブルに充てることはできませんので、保険での治療は期待できないでしょう。したがって自己対策で改善を目指すか、あるいは自費で治療を受ける他ありません。生活習慣に関しては納得できるところもあるかと思われますが、AGAに関しては残念に感じるという人もいることでしょう。
これも脱毛症と呼ばれる症状であり、切実な悩みに考えている人もいるはずです。ただ、AGAの場合は皮膚疾患などと違って、生活に大きな影響を及ぼすものではありません。言ってしまえばただの生理現象であって、健康はもちろん、生命の問題にも全く影響しない症状です。
脂漏性脱毛症などの、生活に支障をきたす症状なら話も違ってくると思われますが、AGAにはそうした特徴がありません。医者にかかって抜け毛を止めたいとなった時にも、それは美容整形レベルの問題で、保険適用をすることはできないのです。
例外的に医療費控除ができる可能性はある
基本的にAGAの場合は医療費控除も受けることはできません。美容整形で医療費控除ができないのと同様で、審美を良くするための治療には控除は適用されないのです。ただし、例外的に対象となる可能性も残されています。
それは、何らかの病気によって脱毛が起こり、主たる病気の治療に伴い、附随的にAGA治療を受けることになった場合です。このケースに関しては、メインの病気を治すための必要な治療と判断され、医療費控除として申請できる場合があります。
税務署の判断が影響してくるため、確実に控除対象になるとは言えないものの、相談をしてみる価値はあると言えるでしょう。
疾患による脱毛症とAGAの見極め
保険を使って治療ができるかどうかを判断するには、抜け毛の原因がどこにあるのかを知らなければいけません。この点に関しては自分でもある程度の見極めができます。まず、皮膚疾患などが原因の場合は、頭皮に何らかの異常が確認できることが多いです。
例えば、脂漏性脱毛症なら異常な皮脂分泌が起こっていることで、頭皮がベタつきやすかったり、フケが大量に出たりします。粃糠性脱毛症についても同じく顕著なフケの発生で、異常のサインに気付くことができます。他にも、円形脱毛症の場合は特徴的な脱毛が起こるため、それが脱毛原因を判断する目安となるでしょう。
一方の、AGAの場合も皮脂が多く出るなどの症状があることで、判断を迷わせてしまうことがあるものの、ただこの脱毛症の場合はもっと分かりやすい特徴もあるのです。それは、薄毛のなり方であり、例えばM字型に前頭部から薄くなったり、頭頂部がO型の形でハゲてきたりすることがあります。
もしくは、双方から同時に進行してくるケースもあり、これもまたAGAの大きな特徴です。ただ、初期の抜け毛ですと見極めに迷ってしまうかもしれません。その場合は、抜け毛の状態で確認をしてみる方法があります。一つの特徴に、細く短い抜け毛が増えた場合が挙げられます。
そもそもAGAはヘアサイクルが乱れることで起こる脱毛なのですが、サイクルの乱れの影響で髪が育たなくなってしまいます。すると、いかにも弱々しい抜け毛が増え、それからどんどん薄毛が進行してしまうのです。このようなポイントを踏まえて抜け毛の原因を調べることができます。
ただ、必ずしも分かりやすい症状が出るとも限りません。下手に自己判断をし、誤った対策をするのも良くありませんので、気になる場合は速やかに医者に相談をするのがおすすめです。なお、抜け毛が増えてきた場合、これからどんどん進行して薄毛が酷くなることがあります。
症状が重くなると改善にも苦労をするため、早めに相談へ行って適切な治療を受けるようにしましょう。
保険が使えないのならどうする?

保険適用で治療を受けられない場合の選択肢ですが、一つに、医者にかかることなく自力で対策を行っていく方法が挙げられます。
抜け毛が気になるのならば、育毛シャンプーや育毛剤などを使用して対策をしていくことも可能です。或いは、個人輸入で治療薬を入手するのも一つの手段。安易に治療薬を利用するのは推奨されることではないものの、抜け毛や薄毛に悩める人の中には、海外から治療薬を入手して対策をする人もいるようです。
もう一つの選択肢は、自費によって治療を受けること。自由診療になってしまうため、どうしても負担は増してしまいますが、治療によって改善ができるのなら検討をしてみる価値はあるでしょう。それに、昨今ではリーズナブルに治療を受けられるところも増えています。
AGA治療にしても、悩んでいる人が大勢いるということもあり、格安で治療を行ってくれるところも沢山あるのです。保険が使えないからといって、極端に高額な治療費になることばかりではありませんので、費用の問題も含めて一度相談に行ってみてはいかがでしょう。